切り抜き画像

スティルライフを撮影するに当たって、頻繁に使用される言葉に、「切り抜き写真」と呼ばれるものがあります。これは一枚の画像を、被写体と背景となる部分の二つに分け、この背景部分を排除して、アイテムだけを残すことを前提とするスタイルを言います。例えば一本の赤の鉛筆を撮るにあたって、背景をグレーにして一枚の映像とした時、これを「角版」と呼び、グレー部分を排除して赤い鉛筆だけを残した場合、これを「切り抜き」と呼びます。切り抜き画像は背景を含まないもののため、印刷デザイン上でのレイアウトがしやすく、キャッチフレーズや説明などのコピーとのからみ、あるいは他のデザインパーツとの組み合わせ等を考えた場合、周囲に写っているものを消去して、商品のフォルムだけを活かしたい時などに、デザイン上でのレイアウトがしやすいため、この方法を採用すると有利と言えます。この技法はコマーシャル映像分野に於いて最も基本的、且つ主流となるもので、質感や雰囲気また機能性やデザイン性などを、その商品の姿だけで表現しなければならないため、ベーシックとなる撮影に於ける考え方やそれらにまつわる様々なテクニックが凝縮した形で求められ、コマーシャル映像分野での修行は、これに始まりこれに終わると言っても過言ではありません。次にこの技法に関する具体的なポイントを以下にまとめてみました。

●イメージの設定
正確に分かりやすく、そのアイテムを描写することが基本となるため、素直にフラットなライティングにするのがこの技法に於けるベーシックな考え方で、一般的には被写体に存在する三面(天、前、横)を表現することを基本としたり、斜めに振った状態を撮影したりするのですが、見方を屈折させたり、非現実的なアレンジを加えることは避けるべきで、アイテムの持つ特性をイメージとして上手く転換できることが求められます。

●写りこみ
被写体が反射性物体で有る場合、その周囲に有るものが写りこんでしまうため、それに対する対策を講じなければなりません。例えば曲面であればそれに応じてディフューズ素材を選んだ後、それを使ってドーム状で取り囲むとか、また突起のあるものなどでは、各々に出る陰の方向や階調に気を配るなど、アイテムの形状や表現様式に合わせて臨機応変に対応しなければならなりません。

●ライティング
一般的にメインの光となるのが後ろからの白い光(バック白飛ばしと言う)で、その他はアクセントのライトとなるのですが、見た目に不自然さを感じさせないハイライトやメリハリを付ける強調部分の表現、雰囲気を伝えるための豊かな階調表現、存在感を与えるシャドウなど、アイテムの特性を考えながら勘案し、ライティングを決定していきます。


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